このサイトをご覧になっている土地家屋調査士試験の受験生の方は、
「93条調査報告書」をご存じでしょうか。
実際に補助者をして実務経験がある方にとっては、
当然知っているものと思います。
一方、実務経験のない受験生の方は、
知らない方も少なくないでしょう。
この93条調査報告書については、
実務では必須の添付書類になるのですが、
土地家屋調査士試験の問題では一切でてきません。
では、93条調査報告書とはどのようなものなのかを解説します。
まず「93条」とは不動産登記規則第93条を指します。
以下条文です。
第九十三条 登記官は、表示に関する登記をする場合には、法第二十九条の規定により実地調査を行わなければならない。ただし、申請に係る不動産の調査に関する報告(土地家屋調査士又は土地家屋調査士法人が代理人として登記を申請する場合において、当該土地家屋調査士(土地家屋調査士法人の場合にあっては、その代表者)が作成したものに限る。)その他の申請情報と併せて提供された情報又は公知の事実若しくは登記官が職務上知り得た事実により登記官が実地調査をする必要がないと認めたときは、この限りでない。
表示に関する登記は現況主義を取られており、
登記官に実地調査権があります。
しかし条文中の「ただし」以下に規定されているとおり、
土地家屋調査士が申請する際には、
一定の条件のもと登記官は実地調査を省略することができます。
その為の添付書類がこの93条調査報告書になります。
この93条調査報告書には土地家屋調査士が実際に現地行って知り得た情報や、
画像データ、収集した資料の調査結果等を記載します。
この報告書の出来により、
登記官が実地調査をするかどうかを判断するので、
土地家屋調査士が登記申請する際に
もっとも重要な添付書類であると言えます。
受験生の皆さん、試験には直接関係のないこの調査報告書ですが、
実務の世界では必須になりますので、
是非楽しみにしていてください。